映画「マリー・アントワネットに別れをつげて」の感想

この映画を観ていて腑に落ちなかったのは、襲撃があったにも拘わらず宮廷の中はそれ程混乱しているように見えなかったこと。イメージでは、バスティーユ襲撃の後、すぐさま革命の戦火がフランス国中広まったかのような教え方をされてきたが、ルイ16世とマリー・アントワネットが処刑台の露と消えたのは、これから2年後だったんだよね。

このコントラストをもっと鮮明にすればわかりやすかったし、シドニーとアントワネットの関係も強調されたように思います。

ここで描かれる二人は、日常の延長上にあって、特に波のうねりが感じられるものではなかった。

物語の最終日である7月17日の早朝には、宮廷にいる貴族の多くが逃げ去っていく場面が映されるが、それはとってつけたものにしか映らなかった。
よくわからんが、バスティーユはパリ市内にあって、ヴェルサイユ宮殿はパリから20kmぐらい離れたところにあるらしい。昔のこととはいえ、20kmというとかなり近い距離だろう。
それなのに、緊迫感が無いところだけが強調され、それが宮中の人間がどれだけ鈍感なのかという対比には至っていない。だから、映画の最終日に皆が逃げていく様子が奇異に見えます。
シドニーは最後に、ポリニャック夫人の身代わりとしてヴェルサイユから脱出することを命じられます。
けれど、その脱出行にはスリルの欠片も無い。
史実がそうだったとしても、もうちょっと盛り上げてくれても良かったんじゃないかな?
ストーリーは別として、レア・セドゥーとヴィルジニー・ルドワイヤンは綺麗だった。
前者は若々しく、後者は洗練されたものに映った。